こないから。

見積もりでうちが負けて、
スマートに断ってもらえるだろう。
と思って出すわけですね。

そう。

言葉で返されるより、暗黙のうちに、
こっちも断り、向こうも断りで。

それでも、
こっちへどうしても頼みたい人は、

「西山さん、ところでお宅の見積もり見ると
他から比べると高いんだけど、
お宅で是非やってもらいたいんだけど、
もう少し勉強にならねぇか」
って言えば、

「わかりました」って。

意外にそういう

そういうもんだよ。

意外にっていうか、
最近の商売の常識でいくと、
意外にってことなんだろうけど、

ホントはそういうことなんでしょうね。

そうだよ。

納得のいかない仕事したくないしさ、

いやな坊主の仕事なんかしたくないよ。
生臭坊主のさ、葬式坊主の仕事なんか。

金要求するような、
こうやって袖上げてさ(笑)

(笑)そうですね。

でもそうやって、
仮に倍つけても気に入られちゃうと、

その場合は、
こっちから勉強させてもらいますね。

納めるとき引くとか、
「思いのほか仕事がはかどって安くできました」
とか、そういうことだよね。

見積もり出しといて、吹いたから、
最初から、
値を下げってちゃうとかじゃなくてさ。

「思いのほか、
最初の見積もりの時より思うと
比較的、仕事も順調にはかどりまして」
って。

下げるのにも粋なやり方があります。

そういうこと。

昔の商売って、
みんなそんな感じだったでしたか？

そうじゃないかな。
仕事を見てからお金下さいとかね。

職人がそういう肌できたんだから。
私の腕を見てから手間を決めてください。

「お代は見てのお帰り」
みたいなとこがあったわけだ。

そうそう。

お客さんの方も、
ちゃんと分かってるから、
仕事なりのお代がくるわけですね。


そこの信頼関係が成り立ってないと、

仮に、この2008年にそれをやったら、
ちょっと怖いですよね。

そうだね、ちょっとね。

自分のの信念で媚は売らないのと、
ぺこぺこして手こすってとか、

営業マンじゃないんだから。


職人の感覚でやってるから、
だから、気に入ってくれて、
仕事さしてくれるなら、やりましょう。
という事でやってるからね。

私の方で仕事を吟味して、手間かけて、
キチッとやるということなんだけども。

じゃなきゃできないよね、
仕事なんか。

そうですよね。

自分もそうなんだけど、
職人に仕事を頼む場合、
職人とまず会って、
その人柄を見るんだよ。

仕事を頼んでも大丈夫な人かどうか。

心が綺麗じゃなきゃ。

ましてや、人が手をあわせるものだけに。

そこは！！そうですよね。
人が手をあわせる。

そう、それに対してさ、
感謝したり、お願い事をしたりするでしょ。

そうですね。

私がお仏壇を買ってもらって
納める時には、

帰り際にお線香を立てながら、
「いい所に片付いてよかったな」
と言って帰るんです。

わが子を嫁にやるようなもんでさ、

そうなんですか。