岐阜の本屋の社長と、
営業でまわって、話してる時にさ、

「オレはねぇ、
柳谷金五郎のつもりで商売やってる」

って言うわけよ。


話し聞いたらさ、

「よそでは、
あんなに人を笑わして、
ニコニコしてるけど、

家帰ったら、
苦虫噛み潰したみたいな顔してんだよ。
アイツんちはよ。

営業はそうだよ、小林君！」

こう言われてさ、

どんだけ、苦虫噛み潰してるやつも、
営業に出たら、一転、
ニコッとしなきゃいけない。

これがもう、
どうしったって離れない一番の教訓。

ただ、そうは言ったてさ、

別にお客さんに対して、
面白くもねぇのに、

笑ってるふりをしてるわけじゃあ、
ねぇじゃねぇ。

そりゃそうだよ！

あったりめぇーよ！


ただ、
売り上げ上げればいいっていうなら、
ゴマすってりゃいいけど、

オレは、
そういうの嫌いだから、

だから、
最終的にいいお客になったのは、

オレと喧嘩したやつの方が、
逆に、いいお客になってるわけよ。

喧嘩したっていうか・・・


あんただってそうじゃん。


栗原君と付き合っててもさ、

コイツは若い頃、
モタモタしやがってさ、
その間、悪いことばっかりして、
マージャンばっかりやって、

で、オレとも、
ああでもねぇ、こうでもねぇ、
ってぶつかってよぉ。

あの「バカ息子」と思ってたんだ(笑)


まさかね、

税理士なんて資格を、
こんなに要領よく取るとは、
思ってなかったよ。

はっはっはっ(笑)

しかし、栗原君ね、
久しぶりに40年前の自分を振り返って、
話せる機会を作ってもらってさ、

冗談じゃなく、ホント嬉しいよ。






しかし今、
ちょうど定年になってから、
来る人もいるわけだよ。

これまで会社に勤めてた人が、
去年の3月辞めて、
ちょうど今、一年たった。

髭ぼうぼうでさ、
全然、だらしなくなっちゃったわけ。

ちょっと見ててね、

おまえ、ちょっと待てよ！
おまえ、そりゃダメだ！


オレももし、今から5年前、
60歳で、リタイアしてれば、

まず、こういう話しもしないし、
だいたいオレに、
こんな話もこないと思う。


今、オレは弟に、

「明日でもやめる！！！」

って言ってんだ。


オレは在庫と請求考えて、
もう自分のところの在庫の方が、
向こうから請求されるのとトントン、
あるいはそれ以上であれば、

オレはいつやめても、
大丈夫だと思ってるから、

そういう状況を、
保とうと思ってるわけ。


そうじゃなきゃ、

やめるにやめらんねぇってことになったら、
こんな悲劇はないからね。

店の片付けにはいくらかかる、
それには、
それなりの蓄え持ってないとできない。



だから、そういう神経使わないと、
やっぱり、人間バカになるよ。

みんな呆け防止とか言って、
パズルとかの本が出てるけど、

あんなもん、
テメェたちの売るためのものであってね、

本来のものは、
自分で考えなきゃと思ってる。

ところで話は全然変わるけどね・・・


なんで、ホルンを始めたの？

ホルン？

おまえ、急所を付くね！
いいね。

そういう質問大好き、オレ。

ガキの頃、・・・
安いオケがあったでしょ？

おまえいいこと言うなぁ、
オレ、思い出した。