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08/02/12
2.バカらしいな
IMG_2781.jpgnanikagakawattanone.jpg


加藤さん
うちの会社では、

こういう、

「100キロ歩け歩け大会」

ていうのをやってる。

これは、
とにかく、ものすごい大会で、


テーマは、

「感謝、感激、感動」

だよと。


それは、
ものすごい、
歩ききった時に、

感動があると。



ただ、それは、
歩かないと分からないから。

「絶対、歩いたヤツにしか分からない、
感動なんだ!」

って言われたんですよ。


それを聞いて、


だったら、
歩こうと思って。

参加したのがキッカケですね。

その時は、
仲間15人ぐらいで参加して。

ただ、
やっぱり実際に100キロ、
ボクも歩こうと思って、
参加したわけじゃなかった。

とにかく参加すれば、
何かが得られるだろう。

と思って参加して、

前の日、全然、
練習もしませんでしたし、

前の日、
2日ぐらい仕事で徹夜して、

睡眠時間0で参加したんですよ。
栗ちゃん
えーーー!
加藤さん
そしたら案の定、

10キロぐらいで、
歩けなくなっちゃって、

15キロぐらいで、
へたっちゃった。

もう、
止めようと思ったんですよ。


なぁーんだ、バカらしいな。

と思って、

何でこんな大会、
自分は参加したんだろう?

と思ってね。

参加した自分が、
ホントに情けなくなっちゃって、

もう止めようと思ったのね。

ただ、仲間が、
どんどんどんどん、
先、行っちゃったり、

ボクが止めようと思って、
休んでると、

どんどんどんどん、
後続の人達が歩いていくから、

これ、
でも、悔しいなと思って。

とにかく、
今、ここで止めたら、

仲間から、
何、言われるか、
わからないなと思って、

とにかく、
30キロまで歩こう。

と思ったですよ。

30キロに、
チェックポイントがあったから、

そこ行ったら、
仲間の誰かがね、

もしかしたら、
リタイアしてるかも知れないから、

そいつと一緒に、
リタイアすれば、

まあ、いいだろうと思って。



30キロまで行ったら、


みんな、
もう、1時間前に通過しちゃって。
栗ちゃん
もう、行っちゃってる。
加藤さん
「えっ!仲間、みんなどうしたんですか?」

「いや、もう、先行っちゃったよ。」

って言われて、


それで、
止めるにやめれなくなって。


じゃあ、40キロまで行こうと。

そしたら、
誰かリタイアしてるから、
そいつと一緒にリタイアしよう。

という気持ちで、

40キロまで行って。



そしたらまた、

誰も、リタイアしてなくて。
栗ちゃん
んふふふふふっ(笑)
加藤さん
しょうがないなー。

と思って。



50キロ。


ずっと、
リタイアしたかったけど、

もう、リタイアできない。


リタイアしたら、

みんなに、
バカにされるだろう。

という気持ちで、
歩いてたんだね。
栗ちゃん
もう、足ボロボロですよね?
加藤さん
そう、

もう、ボロボロでね。

いつ、
リタイアしても、
おかしくないくらいだった。


ただ、

やっぱり不思議なことにね、


チェックポイント行くと、
いろんな見ず知らずの人たちが、
声を掛けてくれるんですよね。

「よく、ここまで来たねー!」

「50キロまで来たね、おめでとう!」

とか、

足を、
一生懸命マッサージしてくれると、

その思いが嬉しくてね、

こんなにまで、
一生懸命、自分のために、

こんなヨレヨレになった、
自分のために、

サポートしてくれて、

暖かい言葉、かけてくれて、


「ありがたいな」

と思った時に、

力が、急に湧いてきてね、

次の地点まで、

よっしゃ!
ここまでサポートしてもらえたら、

もしかしたら、

次の地点まで、
いけるんじゃないかと思って、

また、力をもらえて、
次の地点まで行くんですよ。

ただ、


歩き出したら、

やっぱり、
足は、痛くてね。
栗ちゃん
あの、
中継地点の感覚っていうのは、

ホントに、
あれは参加しないと、

なかなか。

自分も、
去年の6月に参加して、

あの中継地点で、
チェックポイントで、

どういうふうに、
人が迎えてくれて、

その迎えてくれたことに対して、

ボロボロになっている自分は、
どういうことを感じるのか?

っていうのは、


これはホントに歩いて、
ボロボロになってみないと、

ある意味、
マラソン選手とかが、
ホイホイ行ったら、
味わえないのかな。

ボロボロになった人に、
かけてもらえる声っていうのは、

自分がボロボロだから、
分かることってありますよね。
加藤さん
そうですね。

自分が、
極限状態にいるから、

人の優しさが、
感じられるっていうか。

普段、
健常者だとね、

何気ないひと言、
真心の気持ちで、
かけてる言葉が、

心にしみこんでこないんだけど、

自分が、
ギリギリの疲労困憊の状態だと、

相手がかけたね、

そのひと言が、

素直に、
心と体にしみてくるんですね。
栗ちゃん
「受け取れる」

っていうことも、
あると思うんですよね。

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