13.表現者って最期まで表現するんですよ
神田京子プロフィール
ブログ「京子喫茶室」
「14.ゴールがあるんだか、ないんだか」へ続きます
ブログ「京子喫茶室」
で…、寄席でも、
一席おつきあい願いしますって、
淡々としている芸人さんに
あまり感動してませんでした。
表面プロっぽく喋ってても、そこには、
あのー…あなたの裸は見えませんみたいな…。
それはもう芸術とか表現者としては
私ん中では目指すところではありません、
みたいな…。
その中で、二代目山陽って人は凄かったんです。
幕が開いて、言葉を喋んなくても、
人を震えさせてしまう……
もう秘めてるモノが違いすぎ、みたいな。
で、この人の弟子になろう!と思ったんですよ。
で、その人が講談だったから、
講談になったけれども、
落語家だったら落語家になってたし
俳優だったら俳優目指してた。
そのころ、学校の授業でも
私の心を動かした一件があって…。
授業が始まって、新しい学期の授業が始まって
5月だったと思うんですよ。
大衆芸能を扱う授業で
『落語はスターがいるから廃れないけど、
講談はスターがいないから廃れる』って聞いたの。
ちょっと待てっ!
みたいな、体が熱くなったんです。
5月か6月…
もうそん時には、寄席を観てるから、
ちょっとまって先生、神田一門って元気だから、
そんな廃れませんって言いに言った。
まだまだ大丈夫って気持ちがありましたよ。
っていうか、じゃあ…
スターがいないんなら私がスターになる!!
って真剣に思いましたしね(笑)
で、確実に7月の会で二代目山陽観た時に
ああ、もうこの…この志さえあれば、
講談なくなんないな…って。
さらけ出してるんですよ。
もう自分の存在自体が『講談』、『表現』!
この人はたまたま講談なわけで、
もう「それだ!」みたいな感じがあった。
すぐに入門願いに行きました。
ただ私、欲ばりなんで、
今…、あちこちに手出し過ぎて、
全部を完璧にしたいと思いすぎちゃって、
逆に完璧にならない。
これからですよ~!
一席おつきあい願いしますって、
淡々としている芸人さんに
あまり感動してませんでした。
表面プロっぽく喋ってても、そこには、
あのー…あなたの裸は見えませんみたいな…。
それはもう芸術とか表現者としては
私ん中では目指すところではありません、
みたいな…。
その中で、二代目山陽って人は凄かったんです。
幕が開いて、言葉を喋んなくても、
人を震えさせてしまう……
もう秘めてるモノが違いすぎ、みたいな。
で、この人の弟子になろう!と思ったんですよ。
で、その人が講談だったから、
講談になったけれども、
落語家だったら落語家になってたし
俳優だったら俳優目指してた。
そのころ、学校の授業でも
私の心を動かした一件があって…。
授業が始まって、新しい学期の授業が始まって
5月だったと思うんですよ。
大衆芸能を扱う授業で
『落語はスターがいるから廃れないけど、
講談はスターがいないから廃れる』って聞いたの。
ちょっと待てっ!
みたいな、体が熱くなったんです。
5月か6月…
もうそん時には、寄席を観てるから、
ちょっとまって先生、神田一門って元気だから、
そんな廃れませんって言いに言った。
まだまだ大丈夫って気持ちがありましたよ。
っていうか、じゃあ…
スターがいないんなら私がスターになる!!
って真剣に思いましたしね(笑)
で、確実に7月の会で二代目山陽観た時に
ああ、もうこの…この志さえあれば、
講談なくなんないな…って。
さらけ出してるんですよ。
もう自分の存在自体が『講談』、『表現』!
この人はたまたま講談なわけで、
もう「それだ!」みたいな感じがあった。
すぐに入門願いに行きました。
ただ私、欲ばりなんで、
今…、あちこちに手出し過ぎて、
全部を完璧にしたいと思いすぎちゃって、
逆に完璧にならない。
これからですよ~!
栗ちゃん
はいはいはい。
京子ちゃん
結局、そういう悔しさは、
今、すっごいあるんで、
もうちょっと配分を考えなきゃなってのも
考えてます。
でも、それも含めて、
とにかく二代目山陽の晩年を目指してというか…
はい、私もああいう晩年を迎えて
死んでいきたいみたいに思いますね。
…二代目山陽に入門して
裏切られたことは一度もないんですよ。
今、すっごいあるんで、
もうちょっと配分を考えなきゃなってのも
考えてます。
でも、それも含めて、
とにかく二代目山陽の晩年を目指してというか…
はい、私もああいう晩年を迎えて
死んでいきたいみたいに思いますね。
…二代目山陽に入門して
裏切られたことは一度もないんですよ。
栗ちゃん
どういうこと?
京子ちゃん
師弟関係って、入門してみたら、
あんなに舞台ではニコニコしてんのに、
楽屋では、人間的にオカシイじゃん!
ってのがあるわけですよ。(笑)
わかりやすく言えばですね。
あんなに舞台ではニコニコしてんのに、
楽屋では、人間的にオカシイじゃん!
ってのがあるわけですよ。(笑)
わかりやすく言えばですね。
栗ちゃん
ああぁ、なるほどね。
京子ちゃん
でも、そういう表面的な裏切りじゃなくて、
心の部分の裏切りが全く無いんです。
最晩年だったので、
確かに心身共に優れないときもありましたよ。
私が入門してから三ヶ月目くらいに、
「キミ、誰だっけ?」って私のこと
忘れた時期あったほどですから…。
心の部分の裏切りが全く無いんです。
最晩年だったので、
確かに心身共に優れないときもありましたよ。
私が入門してから三ヶ月目くらいに、
「キミ、誰だっけ?」って私のこと
忘れた時期あったほどですから…。
栗ちゃん
ほうほうほう。
京子ちゃん
そん時ビックリしてすんごい悲しくなっちゃって、
私入門したんですけど…ダメだったのかな?って。
それぐらい結構意識が混沌としたり、
体調悪かったりした時期もあるんですけど…
私入門したんですけど…ダメだったのかな?って。
それぐらい結構意識が混沌としたり、
体調悪かったりした時期もあるんですけど…
栗ちゃん
ふんふんふん。
京子ちゃん
それでも、とにかくこの娘を何とかしなきゃ
…っていう気持ちとか、
講談をよろしく頼むって気持ちが強くって…
晩年、糖尿病で体が弱ってて、
リハビリで入院してたんですけど…。
手が動かなくなり、足が動かなくなり、
内臓も悪くなっていき、
アッチコッチの機能が、
ドンドン衰えていったときに、
私が求めてた一番大切なものを下さった。
講談師にとって大切な、
口さえもあまり動かなくなっていったとき、
そうやって一個一個の人間としての機能が
衰えていったときに、
一番大切なものを残してくださったんです。
話芸を生業とする芸人が
言葉を失ったときにどうなるかわかります?
表現者って最期まで表現するんですよ。
…っていう気持ちとか、
講談をよろしく頼むって気持ちが強くって…
晩年、糖尿病で体が弱ってて、
リハビリで入院してたんですけど…。
手が動かなくなり、足が動かなくなり、
内臓も悪くなっていき、
アッチコッチの機能が、
ドンドン衰えていったときに、
私が求めてた一番大切なものを下さった。
講談師にとって大切な、
口さえもあまり動かなくなっていったとき、
そうやって一個一個の人間としての機能が
衰えていったときに、
一番大切なものを残してくださったんです。
話芸を生業とする芸人が
言葉を失ったときにどうなるかわかります?
表現者って最期まで表現するんですよ。
栗ちゃん
おおぉぉーーーっ!
京子ちゃん
残った一部分で。
…師匠は目の奥でしたね。
…師匠は目の奥でしたね。
栗ちゃん
ほおぉぉ…
京子ちゃん
『かつては言葉を発して食べてたボクが、
弟子を前にして喋れない』
っていう悔しさとかってものすごいあったと思う。
執念というのか、
念が残っちゃうと思うんですけど、
それさえも自分で保てなくなった時どうなるか…
弟子を前にして喋れない』
っていう悔しさとかってものすごいあったと思う。
執念というのか、
念が残っちゃうと思うんですけど、
それさえも自分で保てなくなった時どうなるか…
栗ちゃん
うん。
京子ちゃん
目だけは開いてたから、
そこのパワーだけですよね。
もうキラッキラッしてるんですよ。
目で何か訴えるから、潤んでんの何かこう…
赤ちゃんみたいに。
で、一方的に私は喋りますよね。
稽古はずっと見てもらってましたから。
覚えましたから聞いてくださいって
一方的に聞かせて…
そうすると師匠は、うーんとか、ふむとか、
もうちょっと音上げてとかね、
動かない手で一生懸命…
こう教えてくださったりするんです…
何を言いたいか、
次の瞬間には師匠もわかんなくなっちゃう。
もう91歳とかになっちゃうと、
体調によっては記憶も
ものすごく混同するわけです…。
そこのパワーだけですよね。
もうキラッキラッしてるんですよ。
目で何か訴えるから、潤んでんの何かこう…
赤ちゃんみたいに。
で、一方的に私は喋りますよね。
稽古はずっと見てもらってましたから。
覚えましたから聞いてくださいって
一方的に聞かせて…
そうすると師匠は、うーんとか、ふむとか、
もうちょっと音上げてとかね、
動かない手で一生懸命…
こう教えてくださったりするんです…
何を言いたいか、
次の瞬間には師匠もわかんなくなっちゃう。
もう91歳とかになっちゃうと、
体調によっては記憶も
ものすごく混同するわけです…。
栗ちゃん
うんうん、そうだよね。
京子ちゃん
師匠は、その瞬間その瞬間、
もう何とか意識を保とうとしていました。
師匠にとって『講談』がすべてでした。
だから目の力が凄かった。
それが本物だ!と思いましたね。
死ぬ前に、何を残すかっていう部分が
人は絶対あるわけだから。
い~話でしょ?
でも私自身はホント発展途上なんで、
これからすごいですよ~!
期待しててください。
もう何とか意識を保とうとしていました。
師匠にとって『講談』がすべてでした。
だから目の力が凄かった。
それが本物だ!と思いましたね。
死ぬ前に、何を残すかっていう部分が
人は絶対あるわけだから。
い~話でしょ?
でも私自身はホント発展途上なんで、
これからすごいですよ~!
期待しててください。
「14.ゴールがあるんだか、ないんだか」へ続きます
コメント(0) | トラックバック(0)
それを経て帰ってきて…
で、もう一度改めて、
表現者を見るようになった時に
あの…そっから、
だから3月から4月まで根つめて…
あ、まぁ4月から7月までか3ヶ月、
ものすごい生の舞台を見るようになりました。
もう週5ぐらいの勢いで見に行ってたときに、
ああ、本物は表面だけの人じゃない
と思うようになったんです。